連休なので何か書こうかと思いましたが、直接相場には関係ないですがマクロでは範疇に入ってきます。
懸念されていたシリアの化学兵器に付いては廃棄すると言う事で合意したと、一先ず解決すると言う事で安堵の機運が高まっています。
やはり武力より話し合いが優先された結果で国際世論の勝利だとかのコメントも多く見られます。
はたしてそう楽観的でいいものかどうかはクエスチョンです。
株価も大きく反応はしていません。反面のオリンピックの開催が決まったと言うビッグな材料が出たにもかかわらず私は株価の初動に疑問符を持っています?
戦わない大統領オバマはノーベル賞の重さもあって、米国の国防予算云々の前にあらゆる国外の問題には優柔不断な姿勢を見せていました。専ら国内政治に専念していたと言うところです。
今回のシリアの空爆に関してもオバマは絶対的な権限を持っていましたが、何故か判断を議会に投げてしまいました。こんなことは初めてなので議会は混乱してしまいました。
そして難解なのは、例え議会が反対してもオバマは攻撃を回避しないだろうというスタンスを取っていました。
ここにオバマの限界が露呈してしまいました。責任を自分ひとりで取りたくないと言う弱腰の姿勢です。
それが結果としてもたらした事は解決ではなく新たな脅威です・・・・・・・・・
これまでは化学兵器や細菌兵器は貧者の核兵器と呼ばれるほど陰険で悲惨な結果をもたらす兵器として持っている国は多くありますが表には出せず、また使う事は人類に対する挑戦として一致した国際世論が形成されていました。
しかし今回は化学兵器を使ったら廃棄すれば良い?問答無用の反撃や非難は回避される方向で、一回は使っても許されると言う間違った例を残してしまった事です。
使う事は悪い事だが、それは国連で話し合って廃棄に向けて話し合おうと言う事になります。
これは北朝鮮をはじめテロ国家と呼ばれる国や、現に化学兵器を所持している国にとっては実際に化学兵器を使えると言う認識が生まれてきます。
化学兵器は開発や隠蔽が難しいものではなく、所持も秘密にしやすく廃棄しても新たに製造できるものです。重要な事は持っていても絶対に使えない兵器であったと言う認識が崩れてしまったと言うことです
今度はどちらが先に使ったなどと言う方向に問題がずれていきそうです。
そしてこれに一番神経を尖らせていたのはイスラエルです。
イランの核開発が最終段階に入っている今、相方の米国の弱腰の姿勢が国際世論に露呈してしまいました。
いままで米国が抑えていたイラン攻撃も、その影響力が弱くなって押さえが効かなくなってきます・・・・
これらを市場が捉えているからこそ大きな評価をしないのだろうと思います。
次回、化学兵器を使った国や勢力に対して、世界の警察を標榜してきた米国はどういう対応が出来るのでしょうか?
自らの優柔不断からロシアの提案に乗ったオバマは、自ら大統領の権威を失墜しただけでなく米国の権威の凋落をはっきりと世界に見せてしまいました。
北朝鮮や中国にこの隙を見透かされてしまい今後の外交交渉は一歩引いたものになっていくと思います。
一方日本も中東の石油に依存していますし国内でも原発反対の圧力からいっそう中東に依存することになります。オリンピックは決まっても、尖閣を初めとする対外交渉に関しては足かせになりそうです。
中国はこの機械にいっそう挑発的な姿勢を強めてくるでしょう?
国内にも海外にも大きな課題を抱えたままで気楽に市場がオリンピックを祝福できないのではないでしょうか?
これらの問題は解決するものではなく、常に足元で燻っています。何時になるかということが問題です。
頼りになった米国はもはや兄貴分としての力が消えかかっています。日本の将来も今までのような安穏とした平和ボケのお花畑の中では暮らして生けないでしょう?
デフレ脱却が出来なければ、この国は今までとは逆の勢力の中に取り込まれていくでしょう・・・